魚類学雑誌
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ムツおよびクロムツの年令と成長
望月 賢二
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1979 年 26 巻 1 号 p. 62-68

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抄録

耳石を年令形質として, ムツScombrops boopsおよびクロムツS.gilyertiの年令と成長を調査した、両種とも11月~A1月に形成される透明帯外縁を年令表示とすることが出来た。これに基づき, 年令表示形成時の体長を推定し, 定差図を作成し, さらにvon Bertalanffyの成長式を適用した。その結果, 満3才末満ではクロムツのほうが大きいが, 満3才以上ではムツのほうが大きくなることが示された。推定最大標準体長はムツで880mm, クロムツで514mmであった。また, 体重における成長についても検討した。定置網で漁獲されたムツ末成魚の体長組成による成長は, 耳石の結果とよく一致した。

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