魚類学雑誌
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沖縄より得られた日本初記録のタンザクテグリ (新称), Anaona tentaculata
中坊 徹次岩田 明久
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1979 年 26 巻 1 号 p. 89-93

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抄録

1974年から1977年にかけて, 沖縄県八重山諸島石垣島川平湾の砂底より, 雄1個体, 雌4個体のAnaoratmtaculata Grayが得られた。これは本邦初記録であり, 和名としてタンザクテグリを提唱する.本種は体長40mmまでの小型種で, 体高はネズッポ属のものより高く, ハナヌメリ属のものに近い.他のネズッポ科魚類とは以下の点で区別される.1) 眼上後方部に小さな皮弁がある.2) 後頭部域に左右一対の小さな骨質隆起がある.3) 胸鰭縁の上半分は丸く, 下半分は槍状の形を呈する.4) 体側に多数の小皮弁が散在する.5) 尾鰭の軟条数はii (不分枝) +6 (分枝) +iiである.6) 上顎と下顎の歯は小さく数も少ない.特に6) の特徴から, Anaora属は正当と考えられる.

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