魚類学雑誌
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西部太平洋域から採集されたネズッポ科ハナビヌメリ属魚類の1新種
中坊 徹次
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1984 年 31 巻 2 号 p. 150-155

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抄録

西部太平洋域の, グレート・バリア・リーフ, シャム湾, 沖縄県西表島の3地点から得られた, ネズッポ科ハナビヌメリ属魚類の1新種Paradiplogrammus paryuus (新称: コガタハナビヌメリ) を記載した.
本種は非常に小さな種類で, 標準体長約20mmで成熟に達すると思われる。本種の形態的特徴は, 1) 前鯉蓋骨棘には基部に前向突起がないか, または, あっても極めて小さい, さらに内側に3~4本の上向突起があり, 後端は上方に強くまがる;2) 液浸標本では体色は白色で, 背側にうすい大理石様の褐色斑がある;3) 雄の吻端は猛禽類の嘴のように下方に強くまがる, 等である。
グレート・バリア・リーフから得られた標本と, シャム湾と西表島から得られた標本とは, 雄の第1背鰭の高さ, 雄の臀鰭の斑紋において, ごくわずかな相違を示したので, それらを記しておいた。

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