1992 年 39 巻 1 号 p. 1-7
オーストラリア北部とパプア・ニューギニアから得られたニベ属Nibeaの2新種を記載した.N.squamosaはオーストラリア北部の沿岸とパプア・ニューギニアのフライ川水系から, N.microgenysはオーストラリア北部の沿岸からそれぞれ採集された.これらの新種は口が小さく, かつ下位であること, さらに下顎歯の大きさが一様であることで本属の他種と区別される.N.squamosaはN.microgenysと側線鱗数 (前者では57-60, 後者では48-50), 最後の肋骨の付着位置 (前者では第11椎体, 後者では第10椎体), および尾柄長と尾柄高 (前者ではそれぞれ体長の25.9-30.4%と6.3-7.9%, 後者では21.5一26.3%と8.0-10.3%) などの点で異なる.N.squamosaでは成長に伴い, 前頭骨や背鰭・臀鰭の担鰭骨などが肥厚する.