抄録
九州南東海域 (30°52.2'N, 132°O9.0'E) の中・深層から採集されたセムシウナギ科魚類の標本は, 頭部, 腹部および尾部が破損していたにもかかわらず, 両顎が延長する, 歯は絨毛状歯で歯帯をなす, 主上顎骨後端に球状歯帯がある, 頭部に感覚突起がある, 体色が黒色などの特徴からCyema atrum Guntherと同定された.
本種は三大洋に広く分布するが, 西部北太平洋の極東海域からの報告はなく, 本報が本種の日本初記録である.
体形や鰭の特徴から本種に対して新和名ヤバネウナギを提唱する.