魚類学雑誌
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コイの側線系感覚器の発生
佐藤 光雄
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1955 年 4 巻 1-3 号 p. 105-112

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抄録

1. コイには管器のぼかに、多数の孔器が頭部に存在する。
2. 上眼窩管及び主側管器の原基は受精後24時間 (水温18-21℃) の胚において、眼の背方及び胴部に、下眼窩管器及び鰐下顎管器の原基は受精後41時間の胚において、眼胞の直後及び耳胞の前方にそれぞれ外胚葉の肥厚すなわちplacodeとして形成される。
3. これらのplacodeのうち早期に形成されたものは受精後63時間、おくれて形成されたものは孵化後24時間中に、それぞれ一定数の細胞塊に分れ、これらの各々に感覚細胞及び支持細胞の別が生じ、且頂体も認められるに至る。
4. temporal commissureを構成する感覚器以外の管器はすべて第1次neuromastに属する。
5. 孔器妹管器よりもおくれ孵化後に形成される。大部分の孔器は第3型neuromastに属するものと考えられる。

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