魚類学雑誌
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ゴマウミヘビの2個体目の標本
町田 吉彦太田 秀
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1993 年 40 巻 1 号 p. 103-106

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抄録

1988年の8月に, 熊野灘の水深111-114mで全長498mmのApterichtus moseri (ゴマウミヘビ) 1個体をドレッジにより採集した.本種は, 1901年にJordan and Snyderが駿河湾産の全長149mmの完模式標本のみに基づき, 149mmの完模式標本のみに基づき, Sphagebranchus moseriとして記載して以来報告例がない.また, 完模式標本は3つの断片に分かれているため, 熊野灘産の標本を詳しく報告した.ゴマウミヘビ属は, 鰭が全くない, 前鼻孔が筒状である, 後鼻孔は口外にあって皮弁を備える, 目は中庸大であることを特徴とする.本種は, 頭部に絨毛状突起がない, 全長が頭長の15-18倍, 脊椎骨数が142-145, 頭部の側線孔と感覚孔は淡色の小円斑中にある, 体全体がくすんだ銀色であることでインド・西部太平洋産の近似種と区別される.

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