日本におけるアカメ (Lates japonicus) の分布ならびに出現パターンを299個体の記録に基づいて調査した.これらの記録のうちの86.4% (254個体) は汽水域から, また残りの13.6% (40個体) は海域からのもので, 純淡水域からの記録はなかった.本種は, 南日本太平洋岸の限られた水域のみ分布し, 南西・琉球列島ならびに東シナ海・瀬戸内海には分布しない.汽水域における出現記録は, 夏期 (6-11月) に多く, この出現傾向は宮崎県の地先浅海域の海水温の日変化とよく似ていた.一方海域においては明確な傾向は見られなかった.しかし, 海域における小型定置網による漁獲統計調査では冬期 (12-3月) に多い傾向が認められた.