有病者歯科医療
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進行性化骨性筋炎を有する患者の歯科治療経験
丸岡 豊三枝木 友美稲田 穣小村 健
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2003 年 12 巻 3 号 p. 139-145

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抄録
われわれは進行性化骨性筋炎を有する21歳女性患者の歯科治療を経験したので, その概要を報告する.
主訴は開口障害と6〓の疼痛であった. 化骨性筋炎の症状が初めて現れたのは6歳の時で, 7歳時, 生検により進行性化骨性筋炎と診断された. 12歳時, 開口障害が出現し, その後も全身的に骨化が進行した. 2001年9月20日頃より6〓に自発痛が出現したため, 某歯科口腔外科を受診した. 開口障害の治療として, 全身麻酔下での骨性癒着部の離断術を勧められた. セカンドオピニオンを求めて当科を受診した. 全身状態と予備力低下のため全身麻酔は不可能と判断し, 患者の同意のもと, 6〓の抜歯術のみを施行した. 抜歯部は通常の治癒経過をたどり, 現在も経過観察中である. このような全身疾患を有する患者の歯科治療に際しては, 全身状態や疾患の本態を十分に把握したうえで治療方針を立てる必要があると考えられた.
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