抄録
われわれは, 血液透析患者を対象に口腔症状, 骨・関節症状そして全身症状についてアンケート調査を行った. 対象は血液透析を受けている240名で, 平均年齢が60.1歳, 平均透析歴は9年4か月であった. 調査結果: 口腔に関しては, 唾液の流出程度とは異なる口渇感の存在が示唆された. 歯科的疾患に対する訴えは20%にみられた. 骨・関節症状に関しては10%以下と少数であった. 全身症状に関しては, 倦怠感, 疲労感を訴えるものが72.1%にみられた. また, アンケートの回答者のなかから当科を来院した26名について口腔内状況を検討した. 平均年齢は56.3歳, 平均透析歴は5年6か月であった. DMFT指数が21.3本, 一人平均喪失歯数は10.5本であった.