抄録
流体の機能化、知能化を計る上で、混相流体の活用は重要な役割を演じるようになってきている。特に、電磁場の作用下で高機能性を発揮する流体として、磁性流体やER流体をベースとしてより高い付加価値を付けるための研究が活発化してきている。本講座では、機能流体の代表例として磁性流体を取り上げ、その基礎から応用にわたる研究の道筋を4回シリーズで解説するものである。第1回目 [1] は、混相流体的な側面から磁性流体をとらえて磁性微粒子を含む流体の特性について、ついで第2回目 [2] では、磁性流体の力学を扱う場合の基礎式を中心に磁性流体力学の成り立ち、そして前回の第3回目 [3] は、磁性流体のいろいろな流れの問題を取り上げ、磁場の作用下で流動特性がどのような影響を受けるかを解説した。今回は、最終回として、磁性流体の応用面について解説することにする。