日本医真菌学会雑誌
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総説
爪真菌症 : 疫学, 診断, 治療の最近の進歩
比留間 政太郎
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2006 年 47 巻 2 号 p. 69-73

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抄録
爪真菌症の疫学, 診断, 治療の最近の進歩についてまとめた. 疫学については, 発症リスク因子の研究が行われ, 患者の全身状態, 爪の形, 爪周囲の血行, 爪の伸長度, 原因菌などの解析結果が報告された. 爪真菌症の診断については, 採取された爪サンプル自体の質が大きく結果を左右することが再確認され, KOH法, 培養法に加えて, 分子生物学的手法が導入された. 治療面においては, 1. 再発の防止, 2. 爪真菌症のハイリスク患者の同定, 3. 新しい治療の試み (新薬の開発, 投与法・投与量の改良, 併用療法の検討) などがあげられる. 併用療法については, Nail lacquer法との組み合わせが期待される. 正確な診断, 早期発見と早期治療法について, 日々新たな研究が行われている.
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© 2006 日本医真菌学会
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