抄録
Candida albicansの二形性変換(酵母形から菌糸形への形態変換)は病原性発現の一因子と考えられている.二形性のメカニズムおよびこの現象がどの程度病原性発現に寄与しているかについて以前から膨大な研究がなされてきたが,詳細はいまだ不明である.近年,Candidaの研究分野にも急速に分子遺伝学の技術が導入され,二形性変換の研究分野でも遺伝学的な背景を明らかにすることを目的とした新たな展開が始まっている.この小論は二形性変換における遺伝子発現研究に焦点を当てて最近の知見を紹介し,この現象を分子生物学的に解き明かすためのアプローチについて考察した.