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The Avifauna of Teuri and Yagishiri Islands, Hokkaido
Tatsuo Udagawa
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1953 年 13 巻 63 号 p. 68-85

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抄録

筆者が1951年6月中旬に北海道の西岸にある天売,燒尻両島の鳥類調査を行つた時の記録である。これを要約すると
1. 天売より28種,燒尻より33種を記録した。
2. 両島の鳥相は島嶼型を示し,環境への適応を示して居る。
3. 天売島の海鳥,特にウミガラスは年々減少しつつあるから充分な保護を加えなければならない。
4. 燒尻島ではカラフトチウヒバリとヒバリが同一の地域で蕃殖して居り,亞種の分布が重複する動物地理学上の興昧ある問題を提供して居る。
5. 燒尻島にてシマゴマとブツボウソウとが採集された記録があり,ハヤブサも蕃殖するらしい。
6. この両島は渡り鳥の休息地として重要な位置を占めて居るから森林の保全に努めなければならない。この点,焼尻島は良好であるが,天売島は不充分である。
7. この両島では雁鴨科,サギ科の鳥類が少ない。これはこれ等鳥類の渡りのルートではない事を立証するものであろう。

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