抄録
鳥体の大きさは翼長,尾長,〓蹠長,嘴峰長などで表わされる。筆者らは変異を明らかにする目的で農林省鳥獣実験場構内で捕獲されたスズメ成鳥400以上におよぶ個体を測定した。その結果翼長の範囲は61.0~73.0mmが記録された。平均値は67.66×0.25mmが推定され,その頻度分布は正規分布に近い。尾長は50.0~59.0mm,〓蹠長は15.0~19.0mm,嘴峰長は9.0~12.0mm,体重は18.0~27.5gの範囲であった。翼長と各部測定値との相関は尾長が高いが,他は極めて低い。各部の測定値の頻度分布は一山形の連続分布をするので雌雄の判別は不可能である。解剖によって確めた雌6,雄4個体の各部の測定値の平均は各部とも雄は雌よりも大きい傾向にあった。