石川県を流れる浅ノ川の中流域に於いて、1972年から1977年にかけてカワガラスのセンサスを行なった。カワガラスは周年みられ、毎年1月から2月にかけて造巣•産卵し、その個体数は季節的消長が激しい。この観察区域内で4月上旬から10月下旬にかけては平均1羽にすぎないが、11月から翌年の3月にかけては11羽以上に達する。
カワガラスの棲息環境を知るよすがとして土手から観察できる全ての鳥類を記録した。完全にこの河川に依存して生活している鳥として、カワガラス以外にヤマセミとカワセミがほぼ周年観察された。主としてこの河川域に依存していると思われる鳥としては、コサギとコチドリが認められた。