日本花粉学会会誌
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スギ花粉症受診患者へのアンケート調査
難波 弘行佐橋 紀男山本 昌彦吉田 友英柳川 かおり廣木 信重泉本 恵岩崎 琴恵日高 奈津子
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2004 年 50 巻 2 号 p. 73-82

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抄録

スギ花粉症患者におけるアレルギー疾患の合併症, 花粉に対する生活様式, 薬剤の使用状況などを調査する目的でアンケートを実施し, 290名の有効回答数を得た.半数以上の患者がスギ花粉症以外のアレルギー疾患を合併しており, OASの発症率は約10%であった.複数のアレルギー疾患を合併している患者の方が, OASの発症率が高かった.79.4%の患者が, テレビなどのマスメディアから花粉情報を利用していた.そして, 68.3%にあたる190名の患者が, 花粉情報が役立っと回答した.ほとんど全ての患者が, 花粉飛散期に外出していたが, マスクやメガネの着用率は低かった.洗濯物や布団の乾燥方法などに関しても, 十分な花粉対策が行われていなかった.内服薬に関する調査では, 約56.5%の患者がほぼ正確に服用出来ていた.しかし, 外用薬の使用に関しては, 症状の強さに合わせて使用されている様子がうかがわれた.

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© 2004 日本花粉学会
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