日本小児血液学会雑誌
Online ISSN : 1884-4723
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単球様形態を呈しOKM1+/OKM5-の表面マーカーを持つ細胞の増殖をみたmonosomy7を伴うmyelodysplastic syndrome の1例
小泉 晶一上野 良樹多賀 千之加藤 公孝堀田 成紀犀川 太加藤 英治谷口 昂
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1987 年 1 巻 1-2 号 p. 165-170

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抄録
10歳男のMDSの1例を呈示した.Pelger-Hüet様の異型性を伴った汎血球減少や巨大血小板が見られた.染色体は45XY, -7 (monosomy 7) であった, 経過中単球様細胞が異常に増加し, フローサイトメトリー上は正常単球領域に分布した.しかし, この細胞はNBE (-) でPOX (+), NASDE (+) であった.さらに, 単クローン抗体を用いた表面マーカー検索では, OKM1抗原陽性であったが, 単球に特異的とされるOKM5, Leu M2は陰性であった.強力な化学療法にもかかわらず, 患児は診断後32カ月でCMMoLに移行中に死亡した.OKM1+/OKM5-細胞の確認は, これが最初の報告と思われ, この細胞亜型が小児の前白血病状態においていかなる意義をもっているのか興味のあるところである.
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