日本小児血液学会雑誌
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小児Ph1陽性急性リンパ性白血病に対する骨髄移植
加藤 剛二小島 勢二近藤 勝松山 孝治
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1997 年 11 巻 1 号 p. 26-32

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抄録
小児急性リンパ性白血病の中でも特に治療抵抗1生を示すPhiladelphia染色体陽性の8例に対し単一施設において骨髄移植を施行した結果を報告する.症例は移植時年齢が3-15歳の男子4例, 女子4例であり, 1986年7月から1994年5月までに骨髄移植が施行された.移植種別は同系移植1例, 自家移植2例, 同種移植5例 (ドナーはHLA一致同胞3例, HLA-B座不一致母親1例, 非血縁者1例) である.移植時病期は第1寛解期4例, 第2寛解期3例, 再発期1例であった.生着は8例中7例にみられ, 移植後再発および拒絶された各1例では2回目の移植を同一ドナーより施行した.同種移植を施行し生着の認められた4例中, II度以上の急性GVHDは2例にみられた.3例が移植後35-79カ月間寛解生存を持続しているが他の5例が再発 (2例) および肝中心静脈閉塞症 (VOD) (3例) にて移植後0-19カ月後に死亡した.
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