抄録
症例は10歳の男児で, 全身リンパ節腫大を主訴として入院した.縦隔腫瘤を認めたが, 肝脾腫はなかった.右頸部リンパ節生検で非ポジキンリンパ腫 (NHL) lymphoblastic typeと診断された.腫瘍細胞の表面マーカーはIaとCD7のみ陽性であったが, 再発時にCD5, CD10, CD13が陽性になっていた.診断34カ月後の骨髄浸潤芽球はCDllb, CD33, CD34陽性となり, ペルオキシダーゼ染色陽性を示した.診断時, 再発時と急性骨髄性白血病転換時での腫瘍細胞の遺伝子再構成検査は, すべての時点で同じT細胞受容体のδ-geneの再構成が認められた.以上の結果より腫瘍細胞のmonoclonalityが確認された.この症例のNHLは未熟な前胸腺細胞由来であり, 病気の進行や治療によりリンパ系ないしは骨髄系前駆細胞へ分化したものと考えられた.