日本小児血液学会雑誌
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造血幹細胞移植後の晩期障害の検討
石河 由佳石田 裕二康 勝好本多 康次郎気賀沢 寿人石川 久美子大沼 圭豊田 恭徳西平 浩一
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1999 年 13 巻 6 号 p. 442-447

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抄録

神奈川県立こども医療センターで造血幹細胞移植を施行し, 1年以上無病生存中の29症例を対象として, 身長, 内分泌機能について検討した.その結果, 年少時に全身照射 (以下TBI) を受けたものほど, 移植後の身長の伸びが悪かった.造血幹細胞移植後の甲状腺機能低下に関しては, 移植前に頭蓋照射を受けている群で発症頻度が高かった.性腺機能低下は男女ともに, 前処置にかかわらず高頻度に認められており, 特に女児で高かった.造血幹細胞移植後の成長障害, 内分泌学的機能低下といった晩期障害に対する治療の適応を考慮すべく, 今後も慎重な経過観察が必要である.

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