日本小児血液学会雑誌
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急性骨髄性白血病のリスク分類に基づいた層別化治療
多和 昭雄月本 一郎
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2004 年 18 巻 3 号 p. 200-209

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抄録

小児急性骨髄性白血病 (AML) の治療成績の向上に伴い, 予後因子に基づいた層別化治療の導入が, さらなる治療成績の向上, 生存の質の改善の点から重要となってきている.本邦においては, 1991年8月から開始された共通プロトコールANLL91により, 7年event-free survivalが55.2%と, 諸外国の成績と比較し遜色のない結果が得られた.ANLL91の治療成績結果を解析することにより, 染色体異常, 初期治療反応性, 初発時年齢・白血球数が予後と相関することが明らかとなった.この結果および諸外国の報告をふまえ, その基本戦略の中心に予後因子による層別化治療を据えた小児AML共通プロトコール-AML99が2000年1月から開始されている.ANLL91の解析結果, AML99の中間解析結果を中心に, 諸外国の報告も併せ, AMLの予後因子に基づいた層別化治療につき述べる.

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