日本小児血液学会雑誌
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非血縁者間同種骨髄移植を施行し良好な経過をとっているNF-1に合併した若年性骨髄単球性白血病 (JMML) の2例
川崎 圭一郎森 健高橋 宏暢荻野 芽子打出 和子早川 晶小阪 嘉之竹島 泰弘松尾 雅文
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2004 年 18 巻 5 号 p. 554-560

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抄録

若年性骨髄単球性白血病 (JMML) はその14%が1型神経線維腫症 (NF-1) を伴うと報告されている.今回われわれは非血縁者問骨髄移植を施行し, 良好な経過をとっているNF.1に合併したJMMLの2症例を経験した.症例1は初診時2歳6カ月の男児で, 芽球の染色体検査でmonosomy 7を認めた.移植待機中に急性転化し, 脾照射を施行したが無効であり, 巨大脾腫を有したままの移植となった.移植前処置はBU+Ara-C+CPMで行った.移植後に慢性GVHDを発症した.症例2は初診時7カ月の女児で, 移植まで血液学的に安定した経過をとった.移植後grade 3の急性GVHDを発症したが, ステロイドパルス療法が奏効した.両症例とも移植後長期間寛解を維持している.症例1では急性転化した状態での移植で生着が得られており, JMMLに対する前処置を考えるうえでも貴重な症例であると思われた.

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