日本小児血液学会雑誌
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NK細胞性白血病の2例
山本 将平菊地 陽加藤 元博朴 明子新井 心花田 良二
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2006 年 20 巻 4 号 p. 227-230

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抄録

NK細胞性白血病の2例を経験した.2例とも表面膜マーカーはCD3陰性, CD19, 20陰性, CDI3, 33陰性であり, CD56が陽性であった.以上よりNK細胞性白血病と診断した.NK 細胞性白血病は, 非常にまれな疾患であるが, 白血病細胞のtum overが速く, 短期集中型の治療が有効であろうと考え, 2症例とも成熟B細胞性腫瘍に対する治療レジメンを用いて治療を行った.2症例とも, 初期治療反応性は良好であった.1例は, 治療終了後8ヵ月で骨髄再発を認め, 非血縁者間同種骨髄移植を施行したが, 移植後4ヵ月時に, 合併症で死亡した.1例は, 治療終了後1年2ヵ月間, 寛解を維持している.NK細胞性白血病はきわめてまれであり, 治療経験を集積する必要があると考え報告する.

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