抄録
Acute mixed-lineage leukemia (AMLL) の15歳男児が再寛解導入療法時に真菌性虫垂炎, 腹腔内真菌性膿瘍を発症した.手術を施行しいったん軽快したが, 移植直前に難治性膿瘍が再燃し, 盲腸穿孔を合併.腹腔ドレーンを挿入したまま非血縁者間の骨髄非破壊的移植 (RIST) を行った.術創およびドレーンより酵母様真菌が検出されたが同定には至らず, 抗真菌剤併用にて, 敗血症, 腹膜炎に至ることなく移植を行いえた.重症真菌感染症や腸穿孔合併例においても, 抗真菌剤の併用やRISTにより移植は可能であると考えられる.