日本小児血液学会雑誌
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小児急性白血病の神経学的所見および心理検査からみた晩期障害
I. 神経学的所見からみた晩期障害
小林 尚明島崎 晴代星 順隆赤塚 順一
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1989 年 3 巻 2 号 p. 123-128

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抄録
小児急性白血病27例を対象に, 化学療法および予防的頭蓋放射線照射による神経学的晩期障害にっいて検討した.ALLは24例で, 全症例に予防的頭蓋放射線照射を施行している.神経学的検査として脳波, 頭部CT, soft neurological signs, 知能指数, Bender Gestaltテストを施行した.再発群の症例は.種々の検査において高率に異常を呈した. Soft neurological signsおよびBender Gestaltテストの異常は, 初発年齢が低い症例において高率であった.19の異常は, 初発年齢が低く寛解期間が長期に及ぶほど高率であった.以上の結果より, 幼若期発症例に対する中枢神経予防療法において, 頭蓋放射線照射量の検討がなされるべきであり, また長期生存例における19異常を改善するためには, 今後の患児たちの知的環境の調査が必要であると考えられた.
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