日本小児血液学会雑誌
Online ISSN : 1884-4723
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Ph1陽性小児急性リンパ芽球性白血病におけるCD34 (HPCA-1) 発現の意義
東 英一梅本 正和久保 聖子種田 寛桝田 慎一張 小麗花田 基駒田 美弘櫻井 實
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1991 年 5 巻 1 号 p. 56-60

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抄録
Philadelphia染色体 (Ph1) 陽性急性白血病の特徴の一つはリンパ球系と骨髄球系の両者の特性を合わせ持つことである.この現象はPh1陽性急性白血病がリンパ球系一骨髄球系幹細胞/造血幹細胞に由来することを示唆している.この仮説を証明するために, Ph1陽性急性白血病の細胞表面マーカー, 特にCD34抗原について検討した.CD34は造血幹細胞に存在するが, 正常末梢血には存在しないとされている抗原である.Ph1陽性急性リンパ芽球性白血病でCD34の発現をみたところ, 6例中6例と全例陽性であった.このことはPh1陽性急性リンパ芽球性白血病が多能性幹細胞由来であることを示唆している.
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