抄録
本研究の目的は、対人接近情報の信号化において、短く不連続な打鍵がつながって判読できなくなるドライブ現象が、失明者と目を閉じた健常者で抑制される条件と、失明者と目を閉じた健常者の認識の成功率を、通電条件の関数として明らかにすることである。
参加者は、全盲者と健常者である。群馬県草津町の身体障害者・盲人協会の会員と、大学の研究室のメンバーである。実験期間は2021年9月~2022年3月とした。実験期間は2021年9月~2022年3月。実施場所は群馬県立大学と群馬県草津町の福祉センター。成功とは、5秒以内の時間経過で反応が起こったことであり、危険回避成功とした。盲人にはアイマスクを使用せず、健常者には目の上にマスクを装着した。実験は実験計画法L(2)8に従ってランダムな順序で行われ、接近しない条件を加えて12回の試行が行われた。
その結果、危険回避の成功率は失明者の被験者で31.9%であった。いずれも、いわゆるドライブ現象が生じる「吸湿性のない電極」と、対人距離を素早く判断するよう指示した「ストレス負荷あり」の組み合わせで発生していた。
結論として、吸湿性のある電極を使用した方が、信号の分解能を向上できる可能性が示唆された。