【目的】業務中の身体活動を測定し,非特異的腰痛との関連性について調査した.
【方法】医療機関に常勤勤務する病棟女性看護師58名を対象とした.日勤勤務時間中において,活動量計を用いてデータを測定し,座位行動,低強度身体活動,中高強度身体活動に分類した各活動強度時間を算出した.また,座位行動のブレイクとバウトの回数,時間及び業務前後の腰痛変化量を計測した.
【結果】目的変数を腰痛変化量,説明変数を年齢,座位行動,中高強度身体活動,とした重回帰分析の結果,腰痛変化量に影響を及ぼす因子は座位行動であることが示された.目的変数を腰痛変化量,説明変数を年齢,総ブレイク回数,平均バウト時間,バウト回数とした重回帰分析の結果,総ブレイク回数が有意な独立変数として抽出された.
【結論】座位行動が業務前後の腰痛の増加に影響を及ぼすことが明らかになった.座位行動の中断回数の増加は腰痛のリスク因子になることが示唆された.