日本小児呼吸器疾患学会雑誌
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喉頭軟化症に対するYAG (Yttrium-Alminium-Garnet) レーザー喉頭形成術の検討
長谷川 久弥坂井 美穂吉田 和司園田 結子
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2004 年 15 巻 2 号 p. 89-94

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抄録
喉頭軟化症は乳児の吸気性喘鳴 (stridor) の原因として最も多い疾患であり, 特別な治療を必要とせず, 12~18ヶ月くらいの経過で自然に治癒する場合が多い。しかし, 一部の重症例では, 哺乳不良, 体重増加不良, 閉塞性無呼吸などを認め, 保存的管理が困難な場合もある。我々は保存的管理困難な喉頭軟化症11例 (1ヶ月-1歳4ヶ月) に対し, YAG (Yttrium-Alminium-Garnet) レーザー喉頭形成術を施行したので報告する。レーザー喉頭形成術後, 全例で症状の軽減を認め, 哺乳不良, 閉塞性無呼吸などの症状は消失した。術中, 術後の合併症も認められなかった。呼吸機能検査でも, 術前でみられた吸気時のpeak-flowの抑制が術後には改善した。1例のみ, 退院後に上気道感染をきっかけに症状の増悪を来たし, 再度レーザー喉頭形成術を行ったが, この例を含み, その後, 全例良好な経過をとっている。保存的管理困難な喉頭軟化症に対するYAGレーザー喉頭形成術は, 考慮すべき有効な治療法と思われた。
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