抄録
先天性気管狭窄症 (輪状気管軟骨) の症例でバーチャルブロンコスコピー画像を作成し, 気管支ファイバースコピー所見と比較することで, その有用性を検討した.その結果, バーチャルブロンコスコピーは気管支ファイバースコピーと同等の診断能力があると考えられ, 気管支ファイバースコピーを行うことができない施設では, その診断に役立つ可能性があることが示唆された.しかし気管軟化症のような呼吸性変動を伴う狭窄の診断に関しては, 今後も検討を重ねていく必要があり, 気管支ファイバースコピー施行が可能な施設では, 両検査を併せて行うことで, バーチャルブロンコスコピーの有用性をさらに高めていくことが重要と考えた.