日本小児呼吸器疾患学会雑誌
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小学校就学予定児の喘鳴性疾患と肺機能の検討
萩原 里実望月 博之村松 礼子只木 弘美水野 隆久荒川 浩一森川 昭廣
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2008 年 19 巻 2 号 p. 105-111

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抄録

小児の喘息の多くは, 乳児期に発症する。しかし, 乳児喘息の初期の診断は必ずしも容易ではない。その原因のひとつとして乳幼児期の喘鳴性疾患にはアトピー型喘息以外に, いくつかの亜型 (phenotype) が存在することが考えられている。今回, 平成13年度から19年度まで群馬県の1村全体における小学校就学予定児に喘鳴, 喘息に関連する疫学的調査を行い, 気道過敏性検査を含む肺機能検査を行った。対象587名のうち, 喘鳴は21.8% (128名) に, 喘息は10.4% (61名) に認められた。非喘息性の喘鳴群では, 喘息群同様に有意な気道過敏性の亢進が認められた (p<0.001) 。また, 家族の喫煙やペットの飼育, 大気汚染による肺機能検査や気道過敏性への影響は認められなかった。

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