日本小児呼吸器疾患学会雑誌
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小児気管支内視鏡検査・気管支肺胞洗浄検査法
Armand-Trousseau小児病院呼吸器科における方法を中心として
千葉 隆J. Just吉田 豊A. Grimfeld
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1995 年 6 巻 1 号 p. 19-22

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抄録

Armand-Trousseau小児病院呼吸器科 (パリ, フランス) では, 診断に難渋する反復性遷延性呼吸器疾患症例に対して気管支内視鏡検査とBALを施行している。気管支鏡は, 体重9kg以下の症例では経口的に硬性鏡を, 体重9kg以上の症例では経鼻的にファイバースコープを用い, 検査は原則として局所麻酔下で行っているが, 安全かつ短時間で終了し重篤な合併症は認められず, 局所麻酔下の気管支内視鏡検査・BALは小児に対しても有用な検査法であると思われた。BALは, 葉気管支または区域気管支入口部にて機能的残気量の10%に相当する生理的食塩水を6回に分けて経気管支鏡的に注入し, 用手的にこれを吸引し検体としている。BALFでは, 微生物学的検索, 生化学的検査, 細胞学的検索, サイトカインの検索を行っている。BALが小児呼吸器疾患の病態解明の上に有用な検査法であることより, 今後は各施設間で手技の統一を図り広く用いられることを期待したい。

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