日本補綴歯科学会雑誌
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ヒトの能動的開口力に関する研究
藤井 哲則佐藤 博信中村 司藤井 弘之
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1985 年 29 巻 2 号 p. 235-240

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抄録

健常有歯顎者10名の等尺性開口力を種々な開口位で記録し, あわせて開口運動時の顎二腹筋前腹および咬筋のEMGを観察し, 以下の結果を得た.
1. 等尺性随意収縮下での最大開口力は平均2.55kg±0.35kgであった.
2. 最大開口力値は顎位によって異なり(P<0.05), 10mm開口位で最大値3.19kgが, 40mm開口位で最低値1.07kgが得られた. また顎位一試行回数間の交互作用にも有意差がみとめられ(P<0.05), 試行ごとの開口力のバラツキは10mm開口位で最も少なく40mm開口位で最大を示した.
3. 開口力と顎二腹筋EMGのonsetおよびoffsetとの時間的関係に著しい個人差が認められた.
4. 10名中9被検者で等尺性随意開口時の咬筋EMGに干渉波形やスパイク状波形の発現がみられた.

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