抄録
【目的】本システマティックレビューおよびメタアナリシスの目的は,変形性膝関節症患者への運動介入による機能障害の改善を調べることである.【方法】運動介入と無介入もしくは教育的介入を比較したランダム化比較試験(RCT)を収集した.疼痛,こわばり,筋力,関節可動域,柔軟性,最大酸素摂取量,位置覚のデータを統合し,統合データのエビデンスの質を判定した.【結果】33編のRCTが特定された.運動介入は最大酸素摂取量を改善させ,エビデンスの質は高と判定された.疼痛,こわばり,膝関節伸展および屈曲筋力,位置覚も運動介入にて改善し,エビデンスの質は中と判定された.運動介入は膝関節伸展および屈曲可動域を改善させるが,RCTが少数のためエビデンスの質は判定されなかった.【結論】変形性膝関節症患者への運動介入は,疼痛,こわばり,筋力,最大酸素摂取量,位置覚に対して改善が期待できるが,関節可動域に対する改善は未確定である.