論文ID: JJPTOL-R5-A9
【はじめに】外来リハビリテーション体制構築による神経学的所見の評価を実施した進行・再発固形がん患者4症例を経験したのでここに報告する。
【方法】外来化学療法中の4症例に対して、神経学的所見の評価を実施し、リハビリテーション介入中の新規症状の有無と頭部MRI撮像による転移性脳腫瘍の有無について検討した。
【結果】新規症状を認めた2例において、原因はそれぞれ転移性脳腫瘍と末梢神経障害であった。また新規症状を有さない患者において、転移性脳腫瘍を認める患者が存在した。
【結論】神経学的所見の有無は必ずしも転移性脳腫瘍の有無と一致しないが、リハビリテーション関連職種が外来化学療法を受ける進行・再発固形がん患者とかかわる際に、神経学的所見の評価は有用であると考えられた。今後は、神経学的所見の評価の頻度や評価バッテリーについて検討が必要であると考える。