人工知能
Online ISSN : 2435-8614
Print ISSN : 2188-2266
人工知能学会誌(1986~2013, Print ISSN:0912-8085)
Studies on Autonomous Agent's Architecture with Knowledge Migration in Social Agency Model (Autonomous Agent)(Special Issue:Doctorial Theses on Aritifical Intelligence)
江谷 典子
著者情報
解説誌・一般情報誌 フリー

2001 年 16 巻 6 号 p. 879_2

詳細
抄録

本論文では, 自律移動ロボット内部には自律エージェントアーキテクチャを構築し, また自律移動ロボットと計算機により構成される社会的エージェンシーの協調において知識移動という方式を提案した.役割モデルに基づくオブジェクト指向設計モデルを導入して, 協調・適応性・移動性・透過性を実現できるエージェントの振舞いやエージェント間の協調を決定するモデルを提案し, 研究所案内システムのプロトタイプ開発によりモデル検証を行った.第1章では, 本研究の目的とアプローチについて述べるとともに, 本論文の構成について言及する.第2章では, 本研究の背景であるエージェンシーモデルや移動エージェントについて, また関連研究として通商産業省国家プロジェクトFRIEND21(未来型分散情報処理環境基盤技術開発)におけるエージェンシーモデルとの比較について述べた.第3章では, プロトタイプシステムにおける知識移動を伴う社会的エージェンシーモデルについて構成するエージェントの役割と知識を説明し, 知識移動の方式とその方式を用いたエージェント間の知識連係を提案した.第4章では, エージェンシーを構成している自律移動ロボット内部の自律エージェントアーキテクチャについて提案した.本アーキテクチャは, 3階層から構成される階層型アーキテクチャであり, 内部を構成している自律ソフトウェアコンポーネント間ではプロトコルにより行動調整が行われ, 内部状態が遷移する.第5章では, 結論を述べ, 今後の課題として, エージェント間の知識共有による高速な問題解決を可能とするエージェントアーキテクチャを構築するためのアプローチについて述べた.

著者関連情報
© 2001 人工知能学会
前の記事 次の記事
feedback
Top