日本航空學會誌
Online ISSN : 1883-5422
單葉翼の一般理論
片岡 正治
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1939 年 6 巻 56 号 p. 1331-1360

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抄録

單葉翼の理論は種々の著者によつて與へられて居るが何れも循環をフーリエ級數に展開し之を基本式に代入し翼幅に沿ふ任意個の點を取り此等の點に於ける價を與へて出來る聯立一次方程式を解く方法である.之では方程式の係數の一般項を與へる事が出來ず翼端の形の影響を計算する事は困難である.著者は翼平面形及斷面の分布を適當な式で表はし之を基本式に代入し2/nπsinnθを掛けて0からπまで積分して聯立一次方程式を求めた.そうすれば方程式の係數の一般項の形は決るし翼端の形の影響も計算する事が出來る.此方法により種々の平面形の捩れがある翼でフラップを下し補助翼を操作した場合の翼理論が建設された.其結果揚力分布が左右對稱である場合はフーリエ級數の奇數項丈取ればよいが對稱でない場合には奇數偶數項全部を取らなければいけない事が分つた.フーリエ係數の第何項まで取ればよいかは一般項が分つて居るのでアダマールの定理を使用して容易に定める事が出來る.從來の理論の此點に關する不明瞭さを明確にした.計算數値は楕圓翼及矩形翼に對する場合丈中島研究報告に出してあるが他の場合は順次計算發表の豫定である.

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