2010 年 12 巻 3 号 p. 217-218
岐阜市および周辺地域において各医療機関が協力し、平成18年より岐阜市医師会地域連携パスが作成され、平成19年より運用されている。ウイルス性慢性肝炎(含肝硬変)の地域連携パス(以下肝炎パス)は、運用後2年以上が経過し、この間に計173例が組み込まれていた。内訳は、B型肝炎3ヵ月27例、B型肝炎6ヵ月2例、C型肝炎3ヵ月137例、C型肝炎6ヵ月7例、とC型肝炎3ヵ月が最も多く、1年以上運用例は71例、2年以上運用例は25例であった。かかりつけ医も参加したワーキンググループ(以下WG)の検討会でいくつかの問題点が提起され、それぞれの解決策の申し合わせを行った。また、パスの評価も試みたが、検査はほぼ予定通り行われ、肝細胞がんは発見された中に進行症例はなく、検査の重複もほぼ避け得ていた。しかし、症例数の増加に伴い、連携パスそのものの課題以外に連携部のマンパワー不足などの問題点が浮上してきている。今後の連携パスの進化のためには、このような問題を解決することが極めて重要であると思われる。