2016 年 18 巻 1 号 p. 37-41
経皮的カテーテル心筋焼灼術(以下、CA)パスでの抗菌薬予防投与を、セフジニルカプセルからCAによる感染症の主な原因菌であるグラム陽性菌をターゲットとしたクラブラン酸カリウム/アモキシシリン水和物配合錠に変更し、その妥当性を評価した。抗菌薬変更前後各1年間のパス適用患者背景、術後感染の有無、術後体温測定で2回以上連続して38℃を超えた患者数(以下、発熱患者数)、術後抗菌薬使用の有無、術後在院日数、使用抗菌薬の薬剤費を調査し抗菌薬変更前後で比較した。なお心タンポナーデ等の手術要因によるクリニカルパス(以下、パス)逸脱例は調査対象から除外した。変更前後とも術後感染と診断された患者はなく、発熱患者数、術後抗菌薬使用患者数、術後在院日数にも有意差は認められなかった。変更前後で抗菌薬の薬剤費は有意に減少した。変更前後で術後感染発症と在院日数に有意な変化はなく変更は妥当であったと思われる。また薬剤費も減少し、医療経済的にも有益であった。抗菌薬適正化を目的としたパス変更の妥当性を評価することができた。