1994 年 10 巻 1 号 p. 49-54
環境問題に関する情報への心理的態度について、大学生460名を対象として実態調査を行い、環境教育的観点により検討を加えた。その結果、環境問題に関する情報はマスメディアを通して大量に提供されてはいるものの、正確な情報に触れるのが困難と感じる者や現代的なライフスタイルの快適性や利便性を否定する論調にひっかかりを感じている者,問題の深刻さをアピールするだけで身近な対応策を教えてくれないという者,遠い世界の出来事のようで実感がわかないという者などが過半数を占め,環境問題に関するマスメディアによる情報提供が環境教育的機能を十分に発揮しているとはいいがたい実情が明らかになった.