1995 年 11 巻 2 号 p. 21-30
二酸化炭素から見た地球システムに多重システムを読みとり,学習者が自ら学習内容を関連づけて認識するための「多重構造関連づけ学習モデル」に基づき,学習モジュールを制作し,試行した.概念構造図での特定概念ノードへのリンクの集中を示す「アトラクター指標」を導入して概念構造の形成過程を読みとると,各学習ブロックに共通の鍵概念である二酸化炭素が学習初期に中心概念になれば,学習経路が異なってもこれが保持された.そうでない場合は,概念構造図の中心概念の交替がみられ,主に二酸化炭素がアトラクターとして他の概念を引きつけ,最終的にはこれが中心となった概念構造が構成された.関連づけに失敗した1名の学習者を除いて,いずれがアトラクターになっても,認識レベルは保持され,時には深化がみられた.