教育情報研究
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教科教育のなかで行われる「図書館利用指導」の状況 : 教科書の記述を手がかりとした分析
庭井 史絵
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2014 年 29 巻 3-4 号 p. 3-14

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抄録

小中学校で用いる検定教科書には,図書館利用指導と同様の項目が多数取り上げられている.これは,学習指導要領が示した「学び方」の中に,学校図書館が利用指導として扱ってきた内容が含まれていることによる.「学び方」の指導は,教育課程上,教科の領域に位置付けられており,学校図書館や利用指導との関係は明らかではない.本研究の目的は,小中学校の検定教科書の記述を分析し,利用指導に関連する項目の特徴を明らかにすると同時に,教科教育の中で利用指導を行う可能性と意義について検討することである.教科書の記述と利用指導の項目を比較した結果,両者には共通する点が多い一方で,取り上げる内容や方法に相違点があることも明らかになった.つまり,図書館利用指導は「学び方」指導の一環として教育課程に位置付けることができ,学校図書館と教科がそれぞれの専門領域に基づく指導を行うことによって教育効果を高める可能性があると言える.

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