抄録
本研究では,保育に関する新たな自己評価表を開発することを目的として,試案である「音楽表現に関する保育のチェックリスト」を作成した.保育所保育指針を基に190の保育所の保育士を対象に調査を行った結果,12項目4因子から構成される自己評価表案が作成され,因子構造モデルによる一定の妥当性が確認された.同時に実施した「子どもの音楽表現に関する育ちの評価表」への回答との関連性が認められたことより,自己評価表で示された保育環境を提供することが,子どもの育ちに影響を及ぼすことが裏付けられた.これらのことより,保育士にとってより具体的で実践に即した自己評価を行う手段として,評価表の有効性を示すことができた.