2019 年 35 巻 1 号 p. 11-24
2017~2018年に大学に入学した者たちは,スマートフォンとSNSの普及というICT環境の変化の中で思春期を送り,「スマホネイティブ」とも呼ばれる世代である.本稿では,彼らのICT活用能力とスマートフォンの利用状況について,大学入学直後に実施したアンケート調査を用いて分析を加える.分析の結果,ICT活用能力のうち,特に情報倫理とメールに関連する知識・スキルは他の知識・スキルとの相関が弱いこと,スマートフォンについては,多様な機能を使うほど,とりわけ,四大SNS(LINE, Facebook, Twitter, Instagram)の使用数が多いほどその使用時間が長くなること,スマートフォンの使用時間の長さは必ずしもICT活用能力の向上に結びつくとは言えないことが明らかになった