野兎研究会誌
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三面ダム周辺におけるニホンカモシカの調査について
箕口 秀夫豊島 重造斎藤 昌宏
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1983 年 10 巻 p. 55-61

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抄録
1. 新潟県岩船郡朝日村三面ダム周辺において、1981年から1983年の積雪期にカモシカの調査を行った。2. 調査は、アンケート形式の「カモシカ発見記録」を地元の方々に記入してもらう方法をとった他、数回の現地調査を行った。3. カモシカは山腹斜面の落葉広葉樹低木林で多く観察沙汰。ダム湖氷上も移動に利用している。4. スギ造林地のひろがる地域に4-6頭、落葉広葉樹のひろがる地域で13-17頭のカモシカが生息すると考えた。5. カモシカは、落葉広葉樹低木の冬芽を含む枝先や、常緑低木を採餌している。6. カモシカは、針葉樹のある岩場、尾根をネグラとして、落葉広葉樹林、特に樹高のあまり高くない林を採餌場としており、積雪期には大きな移動は行わない。7. 調査地は、カモシカをとりまく環境が変化しており、継続的な調査が必要とされている。
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© 1983 森林野生動物研究会
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