抄録
1. 新潟県岩船郡朝日村三面ダム周辺において、1981年から1983年の積雪期にカモシカの調査を行った。2. 調査は、アンケート形式の「カモシカ発見記録」を地元の方々に記入してもらう方法をとった他、数回の現地調査を行った。3. カモシカは山腹斜面の落葉広葉樹低木林で多く観察沙汰。ダム湖氷上も移動に利用している。4. スギ造林地のひろがる地域に4-6頭、落葉広葉樹のひろがる地域で13-17頭のカモシカが生息すると考えた。5. カモシカは、落葉広葉樹低木の冬芽を含む枝先や、常緑低木を採餌している。6. カモシカは、針葉樹のある岩場、尾根をネグラとして、落葉広葉樹林、特に樹高のあまり高くない林を採餌場としており、積雪期には大きな移動は行わない。7. 調査地は、カモシカをとりまく環境が変化しており、継続的な調査が必要とされている。