抄録
目的:当院では鼻副鼻腔悪性腫瘍に対し放射線治療,化学療法,手術からなる集学的治療を行っている。手術は上顎部分切除を行うことが多い。腫瘍を分割切除するため,出血により視野が妨げられる欠点があった。そこで手術条件を改善するため,内視鏡を導入した。その手術経験について報告する。方法:鼻用内視鏡にて術野をモニターしながら,上顎部分切除術を行った。結果:明視下に手術が可能で,助手との連携も良好になった。また梨状口縁などを温存することで低侵襲手術が可能であった。教育目的で映像を記録できることも利点であった。内視鏡ガイド下上顎部分切除術は有用なアプローチ法であると考えられた。