2011 年 20 巻 3 号 p. 297-302
吊り上げ法を用いた内視鏡技術をダヴィンチシステムに応用し,頭頸部外科領域におけるロボット技術の可能性を評価した。豚成獣に対し,ダヴィンチを用いて,胸腺切除術,顎下腺摘出術,甲状腺摘出術,選択的頸部郭清をそれぞれ行った。
ダヴィンチシステムの3次元視覚システム,関節システム,動作追跡システムなどは,手術の正確性・精巧性を高め,また術者の手指振戦を減らす利点があり,いずれの手術でも頸部ロボット内視鏡手術は安全で効果的であった。
動物や献体で,さらには治験での更なる検証が,これらの利点が臨床応用できるかを決定するためには必要である。