抄録
日本消化器外科学会の一員として,特に頭頸部外科との境界領域を有し,密な協力体制が求められる食道外科医として所感を述べたい。
I.境界領域癌(下咽頭・頸部食道癌)に対する手術現場における協力体制
1)切除術およびリンパ節郭清
2)再建における腸管採取
3)血管吻合を含む形成外科手技
4)音声再建術
II.食道癌周術期もしくは術後長期リハビリテーション
1)術前口腔ケア
2)術後反回神経麻痺に対する処置
3)術後嚥下障害,誤嚥対策
4)喉頭合併切除例に対する発声リハビリテーション
III.Oncologyの観点から
1)組織学的類似性
2)多重癌
IV.内視鏡的治療
以上,消化器外科医として頭頸部外科の先生方との密な連携をもとに協力体制を構築したい。