頭頸部外科
Online ISSN : 1884-474X
Print ISSN : 1349-581X
ISSN-L : 1349-581X
原著
大唾液腺癌42例の臨床検討
海沼 和幸佐野 健司鈴木 宏明鬼頭 良輔宇佐美 真一
著者情報
ジャーナル フリー

2011 年 21 巻 1 号 p. 97-102

詳細
抄録
1999年から2008年までに当科で手術療法にて加療した大唾液腺癌の42例を対象に生存率に係る臨床的および組織病理学的因子について,統計学的に検討した。原発部位は耳下腺が31例,顎下腺が11例だった。42例全体の5年疾患特異的生存率は74.5%,耳下腺,顎下腺の5年疾患特異的生存率はそれぞれ76.3%,70.1%だった。組織型については,11例は低悪性度,7例は中悪性度,24例は高悪性度だった。単変量解析でT分類,頸部リンパ節転移の有無,組織学的悪性度,切除断端の状態,顔面神経麻痺の有無,リンパ管浸潤の有無,病期の7項目,多変量解析ではリンパ管浸潤の有無の1項目に統計学的に有意差を認め,大唾液腺癌において重要な予後規定因子であることが示唆された。
著者関連情報
© 2011 特定非営利活動法人 日本頭頸部外科学会
前の記事 次の記事
feedback
Top